M&Aはゴールではない!企業成長を支える戦略とは?

企業の成長に欠かせないM&A(合併と買収)は、単なる取引ではない。その本質は、事業の成長を支え、課題解決の手段として活用することにある。M&Aの成功には、事業の統合だけでなく、その後の組織運営や文化の融合が不可欠だ。本インタビューでは、M&A業界で活躍する社長が、どのようにM&Aを企業支援の一環として捉え、成功に導いているのか、その哲学や実際の取り組みについて深掘りしていきます。

M&Aは手段に過ぎない—企業成長を促進する本当の役割とは

HPを拝見させていただいたのですけれども、改めて事業内容をお伺いしてもよろしいですか?

そうですね、元々は企業コンサルティングがメインで、企業コンサルティング業務の中でM&Aのアドバイザリー、会社の譲渡したり譲り受けたりするアドバイザーが基本的にあります。
それに付随して、M&Aの勉強をしたいとか、学びたい、知識をつけたい人向けのオンライン講座「M&A思考養成講座」をやっているのが2つ目です。
3つ目が、講座を受けた人たちやM&Aに興味がある経営者の方々を集めた経営者サロンみたいなものですね。今、90社ぐらい入っていて、どんどん増やしているところです。そのM&Aや海外事業に興味がある中小企業を支援する情報交換のグループ、プラットフォームを運営しています。これが「M&A思考クラブ」、略して「MTLC」です。
だから、企業コンサルティングと言っても、M&Aのアドバイザーとしての業務、オンライン勉強講座、組織運営というのが大きな事業内容になります。

なるほど、ありがとうございます。
コンサルティングから、M&Aに関して支援もされていますし、興味のある方には講座を提供して、また経営者サロンとしてプラットフォームも作られているんですね。

はい、そうですね。やっぱり情報交換の場は絶対に必要なので。
経営者だけじゃなくて、若いビジネスパーソンや弁護士、税理士の方々も集めてやっています
この会については後で資料も送りますので、見ておいてください。

ありがとうございます。
M&Aの企業は、私もお話したことがありますが、こういったM&Aの企業って結構多いですよね。

ああ、うざったいですよね。
すいません。よくないところがある企業も多いと思います。

確かに、、、でもちょっと違いがあったり、他社とどこが違うのかとか、何か気になる点があればお伺いしたいのですが…。

M&Aって、実は目的じゃなくて手段なんですよね。まず、M&Aというのは、別にM&Aをしなくても問題ない場合もあるんですよ。

ああ、はい。

M&Aの会社って、売りましょう、買いましょうってやりたがりますけど、それはM&Aの会社っていうのも勿論商売なので。
でも実際には、売上を上げたい、会社を大きくしたい、赤字をどうにかしたいという課題があって、その解決策としてコンサルティングがあるんです。その中の手段の1つがM&Aなんですよね。
だから、M&Aは必ずしもやらなくてもいいと。
企業の課題を受け取って、我々が得意としているのは企業の買収に関するソリューションなので、必要であればM&Aを行うというだけです。

なるほど。

我々は「M&A」という言葉を二つの意味で使っていて、1つは一般的な「Mergers(合併) and Acquisitions(買収)」という意味、2つ目は「Matching and Activation」、マッチングさせて活性化させるという意味で使っています。
M&Aを無理にやるわけではなくて、課題解決のためにそれが必要であればやるし、どこかとつなげるだけで解決すればそれでもいいという意味です。

なるほど。

だから、無理にM&Aをするわけではないし、売ったり買ったりという言葉も使わないようにしています。
例えば、10年前に書いた本でも、「売る買う」という言葉を使わずに「譲る」「譲り受ける」と言っています。

M&Aの会社って、売れたらお金もらって終わり、というところが多いんです。でも実際、売って買って終わりではなく、その後が大変なんですよ。

なるほど。

だから、「アフターM&A」もきちんとやらないといけません。私はそういったアフターサポートもきちんとやっていこうと考えています。

それは大事ですね。

そうですね。だから、企業コンサルティングとしては、M&A後の支援や相談もきちんと対応していくというポリシーです。

なるほど。

私は元々商社に就職して、その後、帝国データバンクに転職しました。
そして、帝国データバンクから出資してもらい、M&Aの会社を立ち上げました。
グローバルな視点を持ちながら、中小企業を支援する事業をやりたいという気持ちが強かったんです。

すごいですね。

その中でM&Aという手段が最も広がりがあり、面白いと思ったので、今の事業を続けています。

すごく興味深いお話ですね。

ありがとうございます。

M&Aというと、一般的には営業や売買を思い浮かべますが、実際にどう違うのか、何か特に特徴的な点があれば教えていただけますか?

M&Aというのは、単に物を売る買うことではなく、事業がどうやったら良くなるか、改善するかに興味を持っています。
だから、会社がどうやったら再生できるか、そこにM&Aを使うという形ですね。

なるほど、それが他のM&A会社との違いですね。

そうですね。
だから、我々が必要であればM&Aをやるし、必要がなければやらないというスタンスです。

確かに、物を売るだけではなく、事業としての改善に焦点を当てているのは大きな違いですね。

その通りです。
またアフターM&Aという言葉もよく使われているのですが、我々はここも重要視していますね。

あ、アフターM&Aっていうのはよく使われる言葉なんですね。

そうですね、M&Aを行った後っていうのは、実際に会社が売買された後にどうなるかが大事ですから。
商売の中では、M&A自体は手段としての意味合いが強いんですけど、その後の企業の運営や改善の方が重要になることが多いです。

ああ、確かに、M&Aをして終わりではないですもんね。その後のサポートが大事だと。

はい、まさにそうです。
実際にM&Aを成功させても、その後がうまくいかないことが多いので、その点で我々はアフターM&Aの支援も大事にしているんです。

アフターM&Aの重要性—企業統合後の成功を左右するカギ

なるほど。アフターM&Aの部分に注力されている企業さんって少ないかもしれませんね。

そうですね。M&Aを成功させることだけに注力して、実際にその後の運営がうまくいかないと意味がないんです。だからこそ、売り手も買い手もその後の会社運営の支援が必要なんですよ。

確かに。それにしても、M&Aって単に企業を売る、買うだけの話じゃないんですね。やはりどれだけ良い企業にするか、という視点が非常に重要というか。

そうですね。M&Aが必要な場合、それは単なる手段に過ぎないわけで、最終的に会社がどうなっていくかが重要です。だから、私たちが提供するサービスは、会社の改善や成長を目指しているんです。

うん、それがいわゆる「事業をどうつなげるか、良くするか」っていう部分なんですね。

はい、まさにその通りです。
売る買うということよりも、どうすればその事業がよくなるか、どうやって成長させるかに注力しています。

なるほど、ちょっと今まで持っていたM&Aに対するイメージが変わりました。
売買だけの商売じゃなく、事業そのものをどう良くしていくかが重要なんですね。

そうですね。だからこそ、M&Aは売ったり買ったりするものではなく、むしろ事業改善の手段として活用されるべきだと考えています。

すごく面白い話ですね。では、社長が最初に起業した背景や経緯を少し伺ってもいいですか?

あ、もちろんです。最初は商社に就職して、その後、帝国データバンクに転職したんです。帝国データバンクでは中小企業の調査をして、実際に企業の成長や改善のためにどういったサポートが必要なのかを学びました。

あ、帝国データバンクにいたんですね。そこでは企業調査を主に担当していたんでしょうか?

はい、その通りです。具体的には、調査員として社長にインタビューして、会社の財務や運営状態を調査していました。それを基に点数をつけて報告書を作成する仕事ですね。

なるほど、実際に企業と向き合って調査していたんですね。それが今のポリシーにどう繋がっていったんですか?

調査をする中で、商売がどう成り立っているか、どの会社とつながればどう良くなるかが分かるようになって、次第にコンサルティングやM&Aに興味を持ちました。その経験が今に繋がっていると思います。

確かに、実際に企業を調査していると、どの会社と提携すれば良くなるかが見えてきますもんね。

そうです。それがきっかけで、企業コンサルティングに興味を持ちました。それから、資格を取ったりして、さらに深く学ぶようになったんです。

すごく興味深いですね。そこからM&Aという手段を使って、企業支援をしていこうと決めたんですね。

はい、そうですね。M&Aは企業にとって非常に大きな転換点になることも多いので、うまく活用すれば企業が劇的に成長することができると思っています。

やっぱりM&Aって会社を大きく変える力を持っているんですね。それに対する社長のアプローチがとても独特で面白いです。

ありがとうございます。単にM&Aを行うだけではなく、会社をどう成長させるかが大事だと思っています。だから、売買だけでなく、その後のサポートも含めた全体的な支援が必要だと感じています。

M&Aと組織文化—成功のために必要な「つなげる」力

そのように、M&Aがただの取引に終わらないという点は非常に興味深いですね。具体的には、アフターM&Aの支援としてどんなことを行っているのでしょうか?

具体的には、買収後の組織統合(PMI)ですね。
M&Aの後に、両社の文化や価値観が異なっている場合、摩擦が生じることが多いんです。
そのため、スタッフの意識改革や経営陣の統一を図ることが必要です。
また、システムやプロセスの統合も非常に重要です。

なるほど。
文化の違いに起因する摩擦というのはよく聞きますが、やはり組織全体の調和がうまくいかないと、せっかくのM&Aが台無しになってしまうこともありますよね。

はい、まさにその通りです。
特に中小企業の場合、会社ごとに独自の文化が根付いていることが多いので、無理に強制的に統合しようとすると、社員が反発して逆効果になることもあります。
だから、慎重に進める必要がありますね。

たしかに。文化や人間関係を無視して、単に数字だけを見て統合を進めるのは危険ですね。

その通りです。
人が最も重要な要素ですから、どんなに良いビジネスモデルがあっても、人がうまく連携できなければ成果は上がりません。
逆に、適切に人材が連携できれば、ビジネスは加速度的に成長する可能性があります

なるほど、そういった人材の管理やコミュニケーションも重要な要素なんですね。

はい、それが一番の鍵です。
実際に、私たちが関わったM&Aで成功した事例の多くは、いかにその後の組織の文化を調和させるかに成功した企業です。

興味深いです。具体的な成功事例があれば教えていただけますか?

もちろんです。
例えば、ある中小企業が大手企業に買収されるケースがありました。
その際、買収後に両社の文化に違いがあったんですが、私たちはその企業に対して、社員同士の交流の場を作ったり、経営陣と定期的にコミュニケーションを取ることで、関係を築くようにしました。
結果的に、社員のモチベーションが向上し、業績も上がりました。

素晴らしいですね!やはり、社員同士の交流を増やすことで、関係性が改善されるんですね。

そうですね。
信頼関係が築かれれば、業務も円滑に進みますし、社員のエンゲージメントも高まりますから。
もちろん、それだけではなく、経営戦略の共有や、次のステップに向けた目標設定も重要です。

まさに、M&A後の「つなげる」部分がうまく機能すると、企業のポテンシャルが最大化されるんですね。

そうですね。M&Aは単なる取引ではなく、その後の「つなげる」作業が肝心です。そこをしっかりサポートすることで、双方にとって価値のある結果が生まれるんです。

とても説得力があります。M&A後の支援というのは、まさに事業の成長と持続的な発展を考えた長期的な視点に立っているんですね。

その通りです。
すぐに結果が出るわけではなく、時間がかかることもありますが、しっかりと取り組むことで、企業の成長を支えることができると信じています。

未来のM&A市場—イノベーションと成長を見据えた戦略的アプローチ

素晴らしいですね。では最後に、社長が考える今後のM&A市場や企業支援の方向性について、どのように見ていらっしゃいますか?

今後、M&A市場はさらに活発になると予想しています。特に、成長を目指す企業が多く、また技術革新が加速している時期でもあります。これからは、単なる事業拡大だけでなく、イノベーションや新規事業の創出を目的としたM&Aが増えていくでしょう。
その中で、アフターM&Aの支援がますます重要になっていくと思います。

技術革新やイノベーションの要素が加わると、M&Aの意味合いも変わってきそうですね。今後の市場がどう変化するのか、非常に楽しみです。

そうですね。
今後は、M&Aが新しい時代に対応するための手段となるでしょう。
私たちもその中で企業をサポートし、成長に貢献していきたいと思っています。

今日は貴重なお話をありがとうございました。M&Aについて、より深い理解ができましたし、社長のビジョンに非常に感銘を受けました。

ありがとうございます。
こちらこそ、ありがとうございました。これからもぜひ、M&Aや企業成長について一緒に考えていきましょう。

インタビューを通して、M&Aの重要性はもちろんのこと、それに付随する「アフターM&A」のサポートの重要性を再認識しました。特に、M&A後の組織文化の調和や経営戦略の共有が、事業の成長を左右するカギであることがよく分かりました。今後のM&A市場では、技術革新や新規事業の創出を目的とした取引が増えることが予想されますが、どんな取引もその後の組織運営がうまくいかなければ成功しません。このインタビューを通じて、M&Aが単なる買売の取引にとどまらず、企業の長期的な発展を支える重要な手段であることがよく伝わってきました。

最後に…

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