- 1 伝統的な勉強法の限界
- 2 効果的な勉強法:リトリーバル
- 3 子供に負荷の高いところを最初にやらせる
- 4 東京大学法学部を首席で卒業 山口真由さんの勉強法:ガムラかさかり
- 5 勉強時間が多い人だけが成功するわけではない
- 6 Stanfordオンライン高校 校長 星友啓さん推奨 脳科学が明かした効果的な勉強法
- 7 伝統的な勉強法の多くが間違っている
- 8 最新の記憶学習法:リトリーバル
- 9 リトリーバルを行うための具体的な方法
- 10 リトリーバルを行うことで記憶が定着しやすくなる
- 11 人間はコラボレーションを求める欲求があるため、人とつながることで記憶力が向上する
- 12 集中と休憩のバランスが重要
- 13 メタ認知力が学習効果に大きく影響する
- 14 効果的な勉強法を実践することで、自分の可能性を広げる
- 15 最後に
伝統的な勉強法の限界
学校や受験の準備では、長らく「読み直し」や「線引き」、「テストで暗記」する方法が主流でした。
多くの人が、教科書にマーカーを引き、何度もテキストを読み返すことで記憶を定着させようとしていますが、脳科学的にはこれらの方法の効果は限定的です。特に、読み直しは一見有効に見えますが、二度目以降の効果は急激に薄れることが研究で明らかになっています。さらに、線引きをして満足感を得ることも多いですが、実際には知識の定着にはほとんど寄与しません。
では、どうすれば効率的に学び、長期間にわたって記憶を維持できるのでしょうか?ここで注目されているのが、「リトリーバル」という新しい勉強法です。
効果的な勉強法:リトリーバル
リトリーバル(retrieval practice)とは、学んだ知識を思い出す行為です。単に読むだけでなく、覚えたことを自分の頭の中から引き出そうとすることで、記憶がより深く定着するのです。
例えば、教科書を読んだ後、目を閉じて何が書かれていたかを自分で思い出してみる。このプロセスを繰り返すことで、記憶力は通常の学習法に比べて1.5倍から2倍向上すると言われています。
また、リトリーバルは勉強が苦手な人にとっても有効な方法です。負担が少ないのに、記憶効果が飛躍的に向上するため、特に忙しい社会人や家庭を持つ人にとっては効率的な勉強法と言えるでしょう。
子供に負荷の高いところを最初にやらせる
さらに、負荷の高い課題を最初に行うことが、学習効果を最大化する上で有効です。
特に、子供に対しては「難しいところから始める」という方法が推奨されています。脳は新しいことを学び、挑戦することで成長しますが、疲れているときに難しいことをやらせると逆効果です。朝や集中力が高まっている時間帯に、負荷の高いタスクに取り組むことで、より強い脳の成長が期待できるのです。
東京大学法学部を首席で卒業 山口真由さんの勉強法:ガムラかさかり
勉強法において、ユニークなアプローチを取っているのが山口真由さんです。
山口さんは元財務官僚であり、現在は弁護士や著作家、テレビのコメンテーターとして幅広く活躍しています。
東京大学法学部を首席で卒業後、ハーバード大学法科大学院でも学び、知識や経験を活かし、多くのメディアや著書を通じて、法律や政治、社会問題に関する解説も行っています。
(山口真由さん オフィシャルX)
そんな彼女は「ガムラかさかり」という独自の方法を提唱しています。これは、同じ教材を7回繰り返し読むというシンプルな方法です。彼女自身、試験前に同じ教科書を100回以上読んだ経験を持つと語っています。
この方法は、一見すると時間がかかるように見えますが、繰り返し行うことで知識が定着し、長期的に記憶に残ると言います。
しかし、山口さんは「勉強時間の長さが成功に直結するわけではない」とも指摘しています。実際に、勉強の質こそが最も重要であり、時間をかければ良いというわけではありません。
勉強時間が多い人だけが成功するわけではない
脳科学的な研究は、勉強の時間ではなく勉強の方法が成功を左右することを明らかにしています。
いくら長時間勉強しても、非効率な方法であれば効果は期待できません。むしろ、短時間でもリトリーバルのように効率的な方法を使えば、驚くほどの成果が得られるのです。時間の制約がある社会人や子育て中の親には、この点は特に重要です。
Stanfordオンライン高校 校長 星友啓さん推奨 脳科学が明かした効果的な勉強法
最近の研究で、私たちの脳がどのように情報を記憶し、どのようにすればその記憶を維持できるかが次々と解明されてきました。
東京大学 文学部 思想文化学科 哲学専修課程卒業後、Stanford大学哲学博士修了し、現在はStanfordオンライン高校校長を務めている哲学博士の星友啓さんは、脳の働きに基づく勉強法について深い洞察を持ち、リトリーバルの効果を広く提唱しています。
(星友啓 OFFICIAL WEBSITE)
伝統的な勉強法の多くが間違っている
星友啓さんは、長年にわたって使われてきた伝統的な勉強法の多くが実際には非効率であると指摘します。
例えば、繰り返し読むだけでは記憶に残らず、試験直前に詰め込んだ知識は短期間で忘れてしまうのです。
最新の記憶学習法:リトリーバル
一方で、星友啓さんは、100年以上もの研究の積み重ねで高い効果が確認されてきた勉強法「リトリーバル」を推奨されています。
リトリーバルは脳に何らかの形で記憶されたものを、ノートや教科書を見直して答えを探すのではなくて、自分の頭だけを使って記憶を取り出すことを言います。
「テスト」はまさに自分の頭だけで学んだことを思い出す、「リトリーバル」。よって、記憶を定着する方法として非常に有効です。
リトリーバルを行うための具体的な方法
リトリーバルを効果的に行うためには、簡単な方法を日常的に取り入れることが重要です。
例えば、授業や勉強の後に数分間、自分でその内容を思い出す時間を設けたり、動画を一時停止して学んだ内容を振り返ると良いでしょう。このプロセスはシンプルですが、記憶を深く定着させるのに非常に効果的です。
リトリーバルを行うことで記憶が定着しやすくなる
リトリーバルの反復によって、脳は情報を長期記憶として保存しやすくなります。
繰り返し思い出す行為が脳を刺激し、忘れにくくなるのです。
人間はコラボレーションを求める欲求があるため、人とつながることで記憶力が向上する
さらに、コラボレーションを活用した学習も有効です。
人間は他者とのつながりを求める本能を持っており、誰かと一緒に学ぶことで記憶力が向上します。
集中と休憩のバランスが重要
学習には、集中と休憩のバランスが重要です。
研究によれば、30分から1時間半ごとに休憩を取ることで脳の疲れを軽減し、学習効率が上がります。
集中力が続く範囲でこまめに休憩を取り、脳をリフレッシュさせることが成果を上げるカギです。
メタ認知力が学習効果に大きく影響する
最後に、「メタ認認知力」についてお話しましょう。メタ認知力とは、自分自身の思考や学習過程を俯瞰して理解し、調整する能力です。メタ認知力を持つ人は、自分がどこでつまずいているのか、どの方法が有効かを的確に把握し、効率的な学習方法を選択することができます。
例えば、勉強している中で「このやり方では覚えにくい」と感じたときに、すぐに方法を変えたり、他のアプローチを試すことができる人は、メタ認知力が高いと言えます。この能力は、単なる暗記や繰り返しでは得られません。むしろ、学習中に自分を振り返り、今の自分の理解度や進捗を正確に把握する習慣が必要です。
研究によると、メタ認知力が高い人は、単純な反復作業に頼らず、自分に合った学習方法を見つけて実践することで、学習効果が2倍以上になることもあるとされています。このため、メタ認知力を養うことが、効果的な学習において非常に重要な要素となります。
効果的な勉強法を実践することで、自分の可能性を広げる
これまで述べたように、効果的な勉強法を身につけることは、単なる知識の蓄積を超えて、人生全般にわたって大きな影響を及ぼします。リトリーバルやメタ認知力を活用することで、短期間で効率よく学び、仕事や資格試験、キャリアアップなどさまざまな分野で成果を上げることができます。
また、勉強に対するアプローチが変わると、自己効力感も向上します。効率的に学び続けることで「自分はもっとできる」という自信が芽生え、それがさらなる挑戦や成長を後押しします。
転職やキャリアチェンジを考えている読者の皆さんにとって、このような勉強法を取り入れることで、自分の可能性を最大限に引き出すことができるはずです。
これまでのやり方にとらわれず、新しい方法を試すことが未来への道を切り開く鍵となるでしょう
最後に
学習は、子供だけのものではなく、私たち大人にも常に必要です。
特に、キャリアを変えようと考えているときには、効果的な学習法を身につけておくことが大きな強みになります。リトリーバル、メタ認知、集中と休憩のバランスといった科学的に効果が証明された方法を日々の学びに取り入れ、より良い未来を手に入れましょう。
勉強の質を高め、時間の使い方を見直すことで、あなたのキャリアや人生にどのような変化が起こるのか、ぜひ体験してみてください。